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お風呂の温度で睡眠が変わる!? 快眠を生む"40℃の魔法"

お風呂の温度で睡眠が変わる!? 快眠を生む"40℃の魔法"

「寝る前にお風呂に入るとよく眠れる」とよく聞きますよね。でもその"よく眠れる"には、実は科学的な理由があるのをご存じでしょうか。

お風呂はただ体を温めるだけではありません。体温リズムや自律神経の働きを整えることで、眠りの質そのものを変える"スイッチ"の役割を果たしています。

今回は『睡眠改善学』の知見をもとに、「なぜお風呂で眠りが変わるのか」「最適な温度とタイミングは?」を、わかりやすく解説していきます。


お風呂が眠りを助ける理由

お風呂に入ると血流が良くなり、体が温まります。その後、お風呂から出て体温が下がっていく過程で、自然と眠気が訪れる。この「温まって → 下がる」という流れが、快眠のカギです。

人間の体には深部体温(体の内部の温度)と皮膚温(表面の温度)の2種類があります。眠りに入るとき、深部体温がゆるやかに下がることで脳と体が休息モードに入ります。お風呂はこの体温の"リズムづくり"を助けてくれる存在なんです。

つまり、単に「温まること」よりも、「温まったあとに体温が下がっていく流れ」こそが、質の高い眠りにつながるポイント。この自然な体温変化を上手に利用することで、眠りはぐっと深くなります。


深部体温が下がると眠くなる仕組み

眠気は、脳の働きやホルモンだけでなく、体温リズムと密接に関係しています。『睡眠改善学』によれば、体は眠る1〜2時間前から自然に深部体温を下げ始め、その下降がスムーズなほど入眠が早く、深い眠りが得られます。

この体温の下降をスムーズにする方法が「入浴」。お風呂で一度しっかり体を温めると、その後、熱を放出しようとして皮膚血流が増加し、結果として深部体温が効率的に下がります。

要するに、入浴は"眠りの準備運動"。お風呂上がりの「ぽかぽか → だんだん涼しくなる」感覚は、実は脳と体が「眠る準備を整えている」サインなんです。

体温変化と眠りの関係

時間帯

深部体温の変化

体の状態

入浴中

上昇

血流促進・体が温まる

入浴後30分〜1時間

下降開始

皮膚から熱を放出・リラックス

入浴後1〜2時間

適度に下降

自然な眠気・入眠しやすい状態


快眠を生むベスト温度は「40℃前後」

お風呂で重要なのは"温度"。熱すぎても、ぬるすぎても、睡眠には逆効果になります。

理想的な温度は40℃前後(38〜41℃)。この温度帯は副交感神経(リラックスモード)が優位になりやすく、心拍数や血圧を穏やかに下げながら、自然な眠気を誘います。

一方で42℃以上の熱いお湯は、交感神経(活動モード)を刺激します。短時間ならすっきりしますが、寝る前には体が覚醒してしまい、かえって入眠が遅くなることも。

40℃前後で10〜15分ほどの入浴が、「温まる」と「リラックス」のバランスが最も取れた黄金ゾーンです。

温度別・お風呂の効果比較

温度

自律神経の反応

睡眠への影響

おすすめ度

37℃以下(ぬるめ)

副交感神経(弱め)

体が十分に温まらず、深部体温の下降が起こりにくい

38〜41℃(適温)

副交感神経(優位)

リラックス効果が高く、自然な眠気を誘う

42℃以上(熱め)

交感神経(刺激)

一時的に覚醒し、寝つきが悪くなりやすい

×


タイミングは「就寝の1〜2時間前」がベスト

お風呂の効果を最大限に生かすには、入るタイミングも重要です。『睡眠改善学』では、就寝の1〜2時間前に入浴することで、体温の下降と入眠タイミングが自然に一致すると説明されています。

たとえば23時に寝るなら、21時〜22時のあいだにお風呂を済ませるのが理想的。お風呂から出て1時間ほど経つと体温が自然に下がり始め、ちょうどそのタイミングで自然な眠気が訪れます。

逆に、寝る直前にお風呂に入ると、体がまだ熱を持ったままで深部体温が下がらず、眠りが浅くなりやすくなります。

理想的な入浴スケジュール例

  • 21:00 - 入浴(40℃・10〜15分)
  • 21:15 - 入浴後のリラックスタイム(照明を落とす・スマホを控える)
  • 22:00 - 体温が自然に下がり始める
  • 23:00 - 就寝(自然な眠気を感じるタイミング)

熱すぎ・ぬるすぎ、それぞれの"落とし穴"

快眠のための入浴は「気持ちいい温度」が基本ですが、少しの違いで睡眠に影響することもあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。

熱すぎるお風呂(42℃以上)の影響

  • 一時的に血圧や心拍数が上昇し、交感神経が活発になる
  • 「すっきり感」は出るが、寝つきが悪くなることが多い
  • 寝汗や夜間の体温上昇による中途覚醒の原因にもなりうる
  • 朝のシャワーや日中のリフレッシュには適している

ぬるすぎるお風呂(37℃以下)の影響

  • 体が十分に温まらず、深部体温の下降が起こりにくい
  • 血流が促進されず、リラックス効果も限定的
  • 長時間入っても体温変化が小さく、眠りへの効果が薄い
  • 夏場の軽い入浴や体調不良時には適している

つまり、「ちょっとぬるめで気持ちいい」と感じる程度の40℃前後が、もっとも自然に副交感神経を優位にし、体温リズムを整えてくれます。


入浴と眠りの"自律神経バランス"

お風呂に入ると、自律神経のうち副交感神経が優位になり、体も心もリラックスモードに切り替わります。これは、筋肉の緊張がゆるみ、血流が改善されることによって起こる自然な反応です。

『睡眠改善学』では、この状態を「生理的弛緩反応」と呼び、呼吸が深くなり、脈が穏やかになるなど、まさに"眠りの準備状態"が整うと説明しています。

このリラックス状態で布団に入ると、眠りの初期段階にあたるノンレム睡眠が深くなり、短時間でもぐっすりと休息できる可能性が高まります。

自律神経と入浴の関係

神経の種類

働き

お風呂との関係

交感神経

活動モード・緊張状態

42℃以上の熱いお湯で活発化

副交感神経

リラックスモード・休息状態

40℃前後のお湯で優位になる

日中の活動で交感神経が優位だった体を、入浴によって副交感神経優位に切り替える。この自然なスイッチングが、質の高い眠りを生み出すんです。


快眠を引き出す入浴習慣のつくり方

入浴を習慣化することで、体の「眠るスイッチ」が自然に働くようになります。次の3つのポイントを意識してみましょう。

① お風呂の時間を固定する

毎日だいたい同じ時間にお風呂に入ることで、体が「この時間=休息モード」と覚えます。生活リズムが整い、自然と眠気が訪れやすくなります。

平日と休日で大きく時間がズレないよう、できるだけ一定のリズムを保つことがポイントです。

② 熱すぎずぬるすぎず、40℃を目安に

温度計がなくても、「気持ちよくリラックスできる温度」を目安にすれば大丈夫。熱いと感じたら少し冷まして、体が「はぁ〜」とゆるむ感覚を大切にしてください。

季節によって快適な温度は変わるので、夏場は38〜39℃、冬場は40〜41℃と調整するのもおすすめです。

③ 入浴後は静かな時間を

明るい照明やスマホは避けて、ゆったりと過ごすことで副交感神経の働きを維持できます。間接照明や暖色系の灯りに切り替えると、より自然に眠りモードへ移行できます。

入浴後のストレッチや読書、軽い音楽など、リラックスできる時間を過ごすことで、体はより深い休息の準備を整えていきます。

快眠入浴のチェックリスト

  1. お風呂の温度は40℃前後に設定する
  2. 入浴時間は10〜15分を目安にする
  3. 就寝の1〜2時間前に入浴を済ませる
  4. 入浴後は明るい照明を避ける
  5. スマホやパソコンの使用を控える
  6. リラックスできる時間を過ごす
  7. 毎日できるだけ同じ時間帯に入る

入浴で得られる快眠以外のメリット

お風呂の効果は睡眠の質を高めるだけではありません。日々の入浴習慣が、体と心にさまざまな良い影響をもたらします。

  • 筋肉の緊張緩和 - 温熱効果により、肩こりや腰痛が和らぎやすくなる
  • 血行促進 - 全身の血流が良くなり、冷え性の改善にもつながる
  • ストレス軽減 - リラックス効果により、心理的な緊張がほぐれる
  • 免疫力のサポート - 体温が適度に上がることで、免疫機能が働きやすくなる
  • 肌の保湿 - 角質層が柔らかくなり、保湿ケアの効果が高まる

つまり、快眠のための入浴は、総合的な健康習慣としても優れているんです。


シャワーだけでは足りない理由

「忙しいからシャワーだけ」という方も多いかもしれませんが、睡眠の質を考えると、やはり湯船に浸かることが大切です。

シャワーでは体の表面しか温まらず、深部体温の上昇が不十分。そのため、入浴後の体温下降が小さく、眠りへの効果も限定的になります。

忙しい日でも、週に数回は湯船に浸かる時間を作ることで、睡眠の質は確実に変わってきます。10分でも湯船に浸かる習慣を持つことが、快眠への第一歩です。

シャワーと入浴の違い

項目

シャワー

入浴(湯船)

体の温まり方

表面のみ

深部まで温まる

深部体温の変化

小さい

大きい

リラックス効果

限定的

高い

睡眠への影響


季節ごとの入浴温度の調整

快適な入浴温度は、季節や室温によって変わります。一年を通して質の高い眠りを得るために、季節ごとの調整ポイントを知っておきましょう。

春・秋(気温15〜25℃)

  • おすすめ温度:39〜40℃
  • 入浴時間:10〜15分
  • 過ごしやすい季節なので、基本の入浴方法でOK

夏(気温25℃以上)

  • おすすめ温度:38〜39℃
  • 入浴時間:10分程度
  • ぬるめのお湯でも十分に体温が上がるため、短めでも効果的
  • 入浴後の冷房は控えめに(体温の自然な下降を妨げないため)

冬(気温15℃以下)

  • おすすめ温度:40〜41℃
  • 入浴時間:15分程度
  • 体が冷えやすいため、やや長めの入浴でしっかり温まる
  • 浴室と脱衣所の温度差に注意(ヒートショック予防)

入浴剤やアロマの活用

入浴の効果をさらに高めたい方には、入浴剤やアロマの活用もおすすめです。香りやリラックス成分が、副交感神経をより優位にし、眠りの質を高めてくれます。

快眠におすすめの香り

  • ラベンダー - リラックス効果が高く、副交感神経を優位にする
  • カモミール - 穏やかな鎮静効果で、心を落ち着かせる
  • ベルガモット - 柑橘系の爽やかさとリラックス効果を両立
  • サンダルウッド - 深い落ち着きをもたらす、瞑想的な香り
  • ヒノキ - 日本人に馴染み深い、森林浴のような安心感

ReSleepでも、医療用アロマセラピーを活用した施術を提供しています。お風呂での香りの活用は、その延長線上にある、日常でできる快眠習慣のひとつです。


よくある質問

Q1. 毎日お風呂に入れない日はどうすれば?

忙しい日や体調が優れない日は、無理に湯船に浸からなくても大丈夫です。その場合は、足湯だけでも効果があります。40℃前後のお湯に足首まで10分ほど浸けることで、血流が促進され、体温調節がスムーズになります。

Q2. 入浴後すぐに眠くなってしまうのですが…

それは、お風呂の温度が高すぎるか、入浴直後に布団に入っている可能性があります。温度を少し下げて、入浴後は1時間ほどリラックスタイムを取ることで、自然な眠気のリズムに整ってきます。

Q3. 朝風呂は睡眠に影響しますか?

朝の入浴は、むしろ交感神経を適度に刺激し、目覚めを良くする効果があります。ただし、夜の睡眠の質を高めるためには、やはり夜の入浴が重要です。朝風呂を楽しむ場合は、夜もシャワーだけでなく軽く湯船に浸かることをおすすめします。

Q4. 入浴中に眠ってしまいそうになるのは大丈夫?

リラックスしている証拠ではありますが、浴槽内での居眠りは危険です。温度を少し下げる、入浴時間を短くするなど調整し、安全に入浴を楽しんでください。


まとめ:お風呂で「眠りの準備」を整える

お風呂は、ただ体を温めるための時間ではなく、「眠る準備」を整えるための大切なプロセスです。

40℃前後のぬるめのお湯に浸かり、就寝の1〜2時間前に体温のリズムを整える。それだけで、眠りの深さや翌朝の目覚めが変わってきます。

深部体温の自然な下降、副交感神経の優位への切り替え、そしてリラックスした心の状態。この3つが揃ったとき、体は最も深い休息モードへと入っていきます。

そして、その"整える"という感覚は、ReSleepが大切にしているものでもあります。日々のストレスや体のこわばりをリセットし、自然と眠れる体のリズムを取り戻す。お風呂の時間を少しだけ見直すことから、あなたの眠りの質は確実に変わっていくはずです。

入浴という毎日の習慣に、ほんの少しの意識を向けるだけで、睡眠は驚くほど変わります。今夜から、あなたも"40℃の魔法"を体験してみませんか?

眠りの科学で、寝落ち体験を。

ReSleepは「眠りに悩む方が、気持ちよく眠れる感覚を思い出せる場所をつくりたい」という想いから誕生したヘッドスパサロンです。

単なるリラクゼーションではなく、睡眠学の知見に基づいた"眠りやすさを体験するサービス"を提供し、眠りに対する自己効力感(自分は眠れるという安心感)を高めることを目指しています。

脳疲労を感じる夜、なかなか眠れない夜に、ぜひReSleepで「眠れる感覚」を体験してみませんか?

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この記事の監修者

宮谷インストラクター

宮谷 インストラクター

  • 睡眠改善指導者(JOBS正会員)
  • 睡眠改善診断ツール【SomniCheck(ソムニチェック)】開発責任者
  • ReSleep睡眠改善プロデュース
  • 睡眠改善メディア執筆 ete...

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