寝る前のゲームで気をつけたいのは、画面の光だけではありません。対戦や会話で気持ちが切り替わりにくくなること、もう一回と続けて就寝が遅れることも、睡眠を見直すうえで大切な点です。まずは、予定した時刻に終われているか、その後に眠るための時間が残っているかを確認しましょう。

ゲームは楽しみや人との交流にもなります。この記事では、成人が自分の生活を調整する場面を中心に、「遊ぶか、完全にやめるか」の二択ではなく、睡眠の機会を守るための終わり方を考えます。どのゲームなら必ず眠れる、といったおすすめは行いません。

この記事の目次
  1. 寝る前のゲームは、三つの面から見直す
  2. 研究から分かることを、全員に同じ分数へ当てはめない
  3. 終了時刻は「最後の一戦」ではなく、就寝準備から逆算する
  4. オンラインの仲間には、参加するときに終わりを伝える
  5. やめるのが難しい場面ごとに、仕組みを一つ変える
  6. 終了後の「反省会」も、翌日に回す枠をつくる
  7. 数日振り返るなら、プレイ時間だけでなく「眠る準備」を記録する
  8. 一人で調整しにくいときは、生活の支障から相談する
  9. 寝る前のゲームについてよくある質問
  10. 画面から離れる休息も、予定の中に用意する

寝る前のゲームは、三つの面から見直す

画面や部屋の光を浴び続ける

夜の光は、眠りや体内時計に関わります。ブルーライトとは青色の領域の光を指し、体内時計への影響を考える際に注目されますが、光の強さや浴びる時間などの条件も関わります。ゲーム機だけでなく、スマートフォン、パソコン、部屋の照明も合わせて考える必要があります。国立精神・神経医療研究センター病院の解説でも、楽しさで夜更かしする側面と、光の影響の両方が取り上げられています。 〔参考2〕

ただし、「青い光だけを減らせば、何時間でも遊んでよい」ということではありません。画面の設定を変えても、ゲームを続けた時間だけ就寝が後ろへずれる問題は残ります。部屋を真っ暗にして明るい画面を見続ける方法より、使用を終える時刻と、夜の光環境を一緒に調整しましょう。

勝敗ややり取りが、終了後も気になる

接戦の後にもう一度挑みたくなる、負けた場面を何度も考える、仲間との会話が盛り上がるなど、ゲーム中の気持ちは終了ボタンだけで切り替わらないことがあります。同じ長さでも、自分が落ち着きにくい内容は何かを振り返ってみてください。

ゲームのジャンルだけで、全員への影響が決まるわけではありません。静かなパズルでも記録更新に熱中すれば長引くことがあります。反対に、対戦ゲームを予定どおり早い時刻に終える日もあります。「どの作品か」に加えて、「どう遊んだか」を確認することが役立ちます。

眠る時間を、プレイが押し出している

寝るつもりの時刻が過ぎてもプレイを続ければ、その分、眠るための時間が短くなります。翌朝の起床時刻が変えられない日は、ゲームの延長がそのまま睡眠の機会を削りやすくなります。

例えば、ゲームを終えた後に入浴や片付けが残っているなら、終了時刻と就寝時刻は同じではありません。「日付が変わる前にやめたから大丈夫」ではなく、その後の準備を含めて考えましょう。まず予定から確かめられるこの点を直すことが、具体的な入口になります。

研究から分かることを、全員に同じ分数へ当てはめない

コントローラーと閉じたノートを机に置く手元
イラスト:AI生成

成人844人への質問調査を行った研究では、ゲームに使う時間と、睡眠の質や就寝・起床時刻などに関連が報告されています。ただし、これは参加者をゲームの長さ別に割り付けて、睡眠の変化を確かめた実験ではありません。 〔参考1〕

ゲームが睡眠に影響する可能性に加え、もともと眠りづらい人が長く遊んでいる可能性や、生活のほかの条件も考える必要があります。この研究から「一時間遊ぶと誰でも何分眠れなくなる」「ある時間以下なら全員に安全」と決めることはできません。

自分の見直しに使うなら、研究の数字を許可時間にするより、ゲームをする日としない日で、就寝準備の始まりや翌日の調子がどう違うかを観察します。数日の記録で原因を証明することはできませんが、予定を変えられる場所は見えてきます。

終了時刻は「最後の一戦」ではなく、就寝準備から逆算する

先に、ゲームの後に残ることを書き出す

翌朝の起床予定と、自分に必要な睡眠のために残したい時間を確認します。そのうえで、歯磨き、入浴、明日の支度など、ゲームの後に行うことを並べます。理想だけで短く見積もらず、普段かかっている時間を使いましょう。

次に、ゲームを終えてから気持ちを落ち着ける時間も見込みます。終了直後に眠ることを義務にせず、静かな身支度などへ移れる予定を考えます。以下は予定の組み方を示す架空の例で、万人に適した睡眠時刻や休息時間ではありません。

気になる場面に合わせて、確認することを整理してみましょう。

予定の要素 例 調整する理由
寝床へ向かいたい時刻 23時頃 翌朝の予定と必要な睡眠の機会から決める
ゲーム終了後の支度 歯磨き、服の準備など 終了と同時には眠れないため
プレイを終える時刻 22時頃を試す 支度と静かな時間を確保するための仮置き
新しい対戦を始めない時刻 終了予定より前に設定 一試合の長さや待ち時間を見込むため

この例の「一時間前」は、効果が保証された境界ではありません。自分の支度が長い、対戦が延長しやすい、終えた後も気持ちが高ぶりやすいなら、さらに早い時間へ移すなど調整します。寝る時刻を遅らせて帳尻を合わせる形にしないことが大切です。

終了の合図と、新規参加をやめる合図を分ける

一試合の途中では抜けにくいゲームの場合、終了時刻のアラームだけでは間に合わないことがあります。新しいマッチングや長いクエストを始めない合図を、別に決めておく方法があります。

たとえば「終了予定に近づいたら、新しい対戦には入らず、結果の確認と保存で終える」というルールです。平均の試合時間だけでなく、待機や延長もあることを考えます。終わりが読めない日に、時間の短いモードへ替えるか、その夜は始めないかを先に選べるようにしましょう。

勝ったら・負けを取り戻したら、を終了条件にしない

勝敗は予定どおりに決められません。「勝つまで」「ランクを戻すまで」とすると、終わりが自分の都合から離れてしまいます。終了条件は、時刻や事前に決めた区切りなど、自分で選べるものにします。

区切りの回数だけで決める場合も、一回にかかる時間が長くなる可能性を考えましょう。「三回だけ」の予定でも、想定より遅ければ、残りを別の日へ回す選択ができます。決めた回数を消化するために睡眠を削る必要はありません。

オンラインの仲間には、参加するときに終わりを伝える

仲間がいると、楽しい時間を途中で切り上げることに気を使うかもしれません。退出の直前に初めて伝えるより、参加時に「今日は22時で終わる予定」「次の長い対戦には入らない」と共有する方法があります。

説明は短くて構いません。睡眠の大切さを相手へ説くより、自分の翌朝の予定や退出時刻を伝えます。「明日早いので、この対戦の後で抜けるね」と言っておけば、次の人数合わせや編成も考えてもらいやすくなります。

誘いに応じない日を設ける場合も、「平日の遅い時間は参加しない。週末の早い時間なら遊びたい」と、参加できる時間を示す方法があります。人との交流を全部手放すのでなく、続けられる時間帯を一緒に探す考え方です。

通知が届くたびに戻ってしまうなら、終了後はゲームや通話の通知を止め、端末を寝床から離します。アラームや緊急連絡に使う端末の場合は、必要な機能を残せる設定を選びます。端末やアプリでできることは異なるため、実際の設定を確認してください。

やめるのが難しい場面ごとに、仕組みを一つ変える

ゲームを終えて寝る支度をする男性
イラスト:AI生成

気になる場面に合わせて、確認することを整理してみましょう。

長引くきっかけ 試せる変更 睡眠を守るための確認
ランク戦で負けを取り戻したい ランク戦を早い時間へ移し、終了条件を勝敗から外す 負けた日も同じ時刻に終えられるか
仲間の誘いを断りにくい 参加時に退出予定を共有する 終了後の誘いで再開していないか
期間限定イベントを逃したくない 参加する報酬・日程を先に選ぶ 全部取る前提で睡眠を削っていないか
デイリー課題が毎晩増える 昼間に行う範囲と、見送る範囲を決める 義務のようになっていないか
セーブ地点まで遠い 開始前に区切れる長さを確認する 終了直前に長い章へ入っていないか
配信や攻略動画へ移ってしまう 見たい内容を翌日のメモに残す 操作をやめても画面時間が延びていないか

すべてを同時に変える必要はありません。自分に多いきっかけを一つ選ぶと、何がやりやすかったかを振り返れます。例えば、通知を止めても長引く原因が一試合の長さなら、新しい参加を控える時刻の方を変える必要があります。

設定を使っても、何度も解除してしまうことがあります。その場合も、意志が弱いと責めるだけでは次の方法が見つかりません。遊び始める時刻が遅過ぎないか、昼間に楽しみの時間がまったく取れていないかなど、予定全体から考えてみましょう。

終了後の「反省会」も、翌日に回す枠をつくる

ゲームを閉じても、戦績や動画を見直し続ければ、休む時間が長引きます。「終わる」は、アプリを閉じることに加えて、その後の関連する画面操作も区切る、と決めておく方法があります。

気になる作戦や反省点は、短いメモを一つ残します。「次回はこの場面を確認する」とだけ書き、詳しい分析は翌日の決めた時間へ回します。今すぐ結論を出さないと忘れそう、という気がかりを、記録で持ち越す工夫です。

その後は、照明を落ち着いた明るさへ調整し、静かな身支度へ移ります。気持ちが高ぶっている日は、いきなり布団の中で眠ろうと頑張るより、短く穏やかな時間を置く方法もあります。ただし、休息用の動画を次々探すことで、再び長時間の操作にならないようにしましょう。

数日振り返るなら、プレイ時間だけでなく「眠る準備」を記録する

睡眠時間と、ゲームを終えてから朝までの時間は同じとは限りません。端末を置いた後に身支度をしたり、寝床に入ってもしばらく起きていたりすることがあるためです。正確な睡眠時間を無理に計ろうとせず、まず自分で分かる行動の時刻と、翌日の調子を分けて残しましょう。

記録は詳しい日記でなくて構いません。「新しい参加をやめた時刻」「実際に終えた時刻」「寝る準備が終わった時刻」「翌日の眠気」を短く残します。睡眠アプリの点数を毎回確認しなくても始められます。

例えば、ゲームは予定どおり22時に終えたのに、攻略動画で23時半まで起きていたなら、最初に見直すのはプレイの長さより終了後の行動です。一方、ゲームを始める前から家事が終わっていないなら、就寝準備の順序を変える方が役立つ場合があります。

振り返りでは、楽しく遊べたかも一緒に確認してよいでしょう。遊ぶ時間を急いで詰め込むより、早い時間にまとまった枠を取れた方が満足できる人もいます。睡眠と趣味のどちらかを毎晩犠牲にする予定から、両方を確保できる予定へ調整していきます。

休日に長く遊ぶ場合も、起床予定が大きくずれるほど夜更かしを繰り返していないか確認します。平日の睡眠不足を、休日に好きなだけ寝れば必ず解消できるとは考えないでください。日々の睡眠の機会を守ることが基本になります。

一人で調整しにくいときは、生活の支障から相談する

やめるつもりでも繰り返し朝まで続けてしまう、仕事や家事が難しくなる、眠気が強いのに運転が必要になるなど、生活への支障が出ている場合は、一人で抱え込まず相談しましょう。かかりつけ医などへ、プレイ時間だけでなく困っていることを伝えられます。

長い時間遊ぶことだけで、特定の病気と決まるわけではありません。反対に、短い時間だから相談できないわけでもありません。眠れないためにゲームをしているのか、ゲームで寝る時刻が遅れるのか、自分では区別しにくい場合もそのまま話して構いません。

ゲームをやめても眠りづらい日が続く、十分な睡眠の機会があっても日中に強い眠気がある場合は、ゲームだけを原因と決めつけないことが大切です。睡眠の状態や体調を含めて確認してもらいましょう。

寝る前のゲームについてよくある質問

ナイトモードにすれば、寝る直前まで続けてよいですか?

設定の変更だけでは、就寝の先延ばしや対戦後の気がかりまでは解決しません。画面の明るさに加え、新しいプレイを始めない時刻と、端末を置く時刻を考えましょう。

ゲームで気分転換できるなら、睡眠にもよいのでしょうか?

気分転換できることと、その夜に十分な睡眠を取れることは別に確認します。楽しみを残しながら、寝る準備が遅れない遊び方にできるかを見てください。どの人にもよい効果があるとは一律に言えません。

やめる時刻を一日守れませんでした。最初からやり直しですか?

やり直す必要はありません。長引いた理由が、試合の延長、仲間の誘い、予定の見積もりのどれだったかを振り返り、次の一か所を調整します。失敗を罰するために翌日の睡眠や楽しみを極端に削る必要はありません。

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終了時刻の一つ前に、「新しく始めない時刻」を置く

終わりたい時刻になってから対戦を抜けるのは難しいことがあります。先に「ここからは新しいプレイを始めない」と決めると、終えるための準備ができます。予定どおりいかなかった日は、意思の強さを採点せず、待ち時間や終了後の動画まで見積もれていたかを確認してみてください。楽しみを続けるためにも、翌日の自分が休める時間を残す予定を考えましょう。

画面から離れる休息も、予定の中に用意する

ゲームを楽しむ時間に加えて、手を止め、刺激や情報を追いかけずに過ごす時間も持ってみませんか。遊び終わった後に何をするかが決まっていると、休息へ移る区切りをつくりやすくなります。

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