育児や介護、交代勤務などで、一度に長く眠れないことがあります。「夜に続けて眠れないと、体は休まらないのだろうか」「3時間ずつ2回なら、6時間眠ったことになる?」と気になる方もいるでしょう。

分割睡眠を考えるときは、分け方より先に、24時間の中で実際に眠れている合計時間を確認します。 睡眠を分けざるを得ない生活でも、休める機会を確保する意味はあります。ただし、分割すれば必要な睡眠を大幅に短縮できるわけではありません。

この記事では、夜の睡眠と昼寝を組み合わせる場合、育児で眠りが中断される場合、夜勤がある場合を分けて説明します。理想どおりに眠れない日にも、次に何を調整するかが分かるよう整理していきましょう。

この記事の目次
  1. 分割睡眠とは?「分けること」と「削ること」は別
  2. 分割睡眠のメリット・デメリットは、何を変えるかで考える
  3. 合計の睡眠時間は、24時間で数える
  4. 3時間を2回取れば十分?研究で分かること
  5. 生活の事情別に、睡眠の守り方を考える
  6. 分割睡眠を続けるときの確認ポイント
  7. 分割睡眠の計画を立てる前に書く、三つの欄
  8. 分割睡眠についてよくある質問
  9. 分けて眠る日にも、自分の休息を予定の中心に

分割睡眠とは?「分けること」と「削ること」は別

分割睡眠は、一日の睡眠を複数の時間帯に分けて取ることを指します。夜の主な睡眠に昼寝を加える形もあれば、勤務の前後に分ける形もあります。

ネットでは、睡眠を細かく分けるさまざまな名称が紹介されています。しかし、名前や回数が同じでも、合計時間と生活条件が違えば、体への負担は同じにはなりません。方法名を選ぶことより、自分の予定の中で睡眠をどう守るかが先です。

表の内容を、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。

睡眠の取り方 主な目的・状況 確認したいこと
夜の睡眠+短い昼寝 日中の眠気に対応する 夜の睡眠が確保できているか、昼寝が遅すぎないか
夜の睡眠+別のまとまった睡眠 育児・介護・勤務への対応 合計時間に加え、続けて眠れる機会があるか
ごく短い睡眠を何度も繰り返す 活動時間を増やす目的で紹介されることがある 極端な睡眠不足になっていないか
寝床には長くいるが、何度も目覚める 意図せず眠りが途切れる 眠り直せるか、日中の支障や体の症状があるか

最後のケースは、計画して睡眠を分けることと同じに扱わないようにしましょう。呼吸の問題、痛み、トイレ、ストレスなどで眠りが途切れているなら、その原因への対応が必要になる場合があります。

分割睡眠のメリット・デメリットは、何を変えるかで考える

睡眠を分けるメリットは、育児や勤務などで一度に長く眠れない場合に、別の睡眠機会を作れることです。続けて眠れないからと休息を諦めるより、取れる時間を守る意味があります。

一方、分割に伴うデメリットとして、寝直す準備や入眠に時間がかかる、周囲の予定と合わない、総睡眠時間が不足するなどの問題が考えられます。睡眠の質だけでなく、量と時間帯も一緒に見る必要があります。

起床時刻を毎回細かく設定して睡眠を削る方法と、生活の事情に合わせて必要な睡眠を確保する工夫は、目的が違います。どちらの話をしているかを分けてから、予定を考えましょう。

合計の睡眠時間は、24時間で数える

机上の開いた手帳とペン、昼と夜を表す太陽と月の小さなモチーフのイラスト
イラスト:AI生成

寝床にいた時間から、起きていた時間を分ける

例えば、23時から3時までと、5時から8時まで寝床にいたとします。時計の上では4時間と3時間で合計7時間ですが、寝つくまでの時間や途中で起きていた時間は、睡眠そのものには含まれません。

下の表は、計算の考え方を示す架空の例です。この時刻に合わせて眠ることを勧めるものではありません。

表の内容を、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。

記録するもの 前半 後半
寝床にいた時間 23:00〜3:00=4時間 5:00〜8:00=3時間
寝つくまで・途中で起きていた時間 合計30分ほど 合計20分ほど
眠っていた時間の概算 3時間30分ほど 2時間40分ほど

この例で実際に眠った時間は、合計約6時間10分です。「7時間寝床にいた」と「7時間眠った」を分けると、必要な休息が取れているかを考えやすくなります。

ただし、夜中に時計を何度も見て、分単位で測る必要はありません。翌朝に思い出せる範囲で書けば十分です。家族の対応で起きていた時間など、分かるところだけ残しましょう。

どこから24時間を数えるかをそろえる

夜勤や早朝勤務では、日付が変わる午前0時で区切ると、睡眠の全体が見えにくくなることがあります。例えば正午から翌日の正午までなど、毎回同じ区切りで見ると、複数回の睡眠を数えやすくなります。

夜の睡眠だけを書き、昼の眠りを忘れることにも注意しましょう。反対に、横になって休んだだけの時間を、眠っていた時間として足さないことも大切です。

合計が同じなら、必ず同じように休めるわけではない

睡眠には、起きている間に高まる眠りの必要性と、体内時計による眠りやすい時間帯が関係します。日中は周囲が明るく、生活音も多いため、夜と同じ長さの枠を取っても同じように眠れるとは限りません。

何度も寝直す場合は、そのたびに寝つく時間も必要です。合計時間だけで判断せず、「休養感はあるか」「昼間に意図せず眠ってしまわないか」「仕事や家事を安全に行えるか」も確認してください。

3時間を2回取れば十分?研究で分かること

6時間という合計だけで、十分とは決められない

3時間を2回眠れば、実際に眠っている時間の合計は6時間になります。しかし、すべての成人にとって6時間で十分とはいえません。寝つくまでの時間を含めた3時間枠なら、実睡眠はさらに短くなります。

厚生労働省は、成人では個人差を踏まえ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを勧めています。「6時間を下回らなければ問題なし」という合格ラインではなく、日中の状態を含めて考える目安です。 〔参考1〕

分割睡眠の研究を、極端な短縮へ当てはめない

2020年の研究では、15〜19歳を対象に、一日に8時間の睡眠機会をまとめる場合と分ける場合などが比較されました。合計8時間の条件では、認知課題について分割と連続で有意な差が確認されなかった一方、合計時間が短い条件では結果が異なりました。 〔参考2〕

ここから読み取れるのは、「分割したかどうか」だけでなく「合計をどれだけ確保したか」が重要だということです。短期間の若い参加者の結果を、成人の長期的な健康や、短い仮眠だけで暮らす方法の保証には使えません。

分割睡眠を試す理由が「自由時間を増やすため」であれば、まず夜の睡眠を確保したまま、日中の休憩を見直すほうが現実的です。睡眠を分ける必要がある方は、削る計画ではなく、確保する計画として考えていきましょう。

生活の事情別に、睡眠の守り方を考える

仕事着の成人女性が帰宅しカーテンの閉じた静かな寝室で休む準備のイラスト
イラスト:AI生成

夜の睡眠に短い昼寝を加えたい場合

夜に眠る生活なら、昼寝は早い午後に短い時間から取り入れると、夜の眠気との関係を見やすくなります。最初から長く眠る予定を作らず、起きたあとにぼんやりする時間も含めて休憩枠を取りましょう。

昼寝をした日に夜の寝つきが悪くなるなら、時間を早める、短くするなど、一つずつ調整します。仕事中の眠気が強い場合は、昼寝の技術だけを工夫するのでなく、夜の睡眠が不足していないかも確認してください。

育児・介護で夜に何度も起きる場合

睡眠が中断される生活では、「まとまって眠れない自分の工夫が足りない」と考えなくて大丈夫です。対応が必要な時間を家族や支援者と共有し、交代できる部分を探すことが、睡眠機会を増やす具体策になります。

例えば、早い時間帯の対応を任せて先に休む、朝の家事を減らしてもう一度眠る機会を作るなどです。分割回数の理想を決めるより、可能な範囲で、途中の対応を任せられる休息枠を守りましょう。

昼間に休める時間があっても、家事を全部終えてからでは、眠れる機会を逃すことがあります。優先度の低い用事を後に回し、休息を先に予定へ入れることも選択肢です。赤ちゃん自身の睡眠環境や授乳については、成人の分割睡眠とは分けて、担当の医療者などへ相談してください。

夜勤・交代勤務がある場合

勤務後に帰宅して眠る時間と、次の勤務前に休む時間を分けることがあります。この場合は、「昼寝は午後3時まで」という通常の日中活動者向けの目安を、そのまま当てはめることはできません。

勤務時刻、通勤、連続して眠れる長さ、家の明るさや生活音を一緒に確認します。家族へ休む時間を伝える、通知を止める、遮光や室温を調整するなど、睡眠の機会を守る準備が役立ちます。

具体的な睡眠の配置は勤務パターンによって変わります。強い眠気や生活への支障が続くなら、産業医や睡眠を扱う医療機関へ相談しましょう。帰宅時に眠い場合も、運転を続けず、安全な移動方法を確保することが先です。

夜中に目覚めた時間を、有効活用しようとしている場合

目が覚めたからと毎晩仕事を始めると、頭が仕事のモードへ戻り、眠り直しにくくなることがあります。睡眠が途切れた時間を必ず生産的に使う必要はありません。

眠れず焦るときは、寝床で長く頑張り続けるより、一度離れて静かな過ごし方を選び、眠気が戻ったら休む方法があります。目覚めが繰り返されてつらい場合は、計画的な分割睡眠と決めつけず、原因を見直してください。

分割睡眠を続けるときの確認ポイント

回数より、日中の支障と前後の変化を見る

次の項目は、分割睡眠が向いているかを診断するチェックではありません。今の生活を見直すための観察項目です。

  • 十分な睡眠の枠を取っても、会議や移動中に何度も居眠りする。
  • 起きたあと長く頭が働かず、作業や家事を始めにくい。
  • 休みの日に睡眠時間が大きく伸びる。
  • 睡眠を分けてから、夜の寝つきや気分が悪化した。
  • 家族から、大きないびきや呼吸が止まる様子を指摘される。

これらが気になる場合は、分割の回数をさらに増やすより、総睡眠時間や眠りを妨げる原因を確認します。強い眠気や息苦しさなどがあれば、記録を完成させる前でも相談してください。

一度に変えるのは、一つにする

就床時刻、昼寝の長さ、飲み物、寝室環境を同時に変えると、何が自分に合ったのか分かりにくくなります。まずは「夕方のうたた寝を早い時間へ移す」「家族と睡眠中の連絡方法を決める」など、一つから始めましょう。

予定どおりに眠れなかった日も、その日だけで方法の良し悪しを判定しなくて構いません。仕事や家族の事情と合わせて数日分を見ます。眠るための細かな計画がかえって負担になるなら、記録項目を減らしてください。

分割睡眠の計画を立てる前に書く、三つの欄

睡眠を分ける必要があるときは、いきなり細かい時刻表を作るより、「動かせない予定」「眠れる機会」「手伝いを頼めること」を分けて書いてみましょう。以下は生活を整理するための例です。

表の内容を、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。

記入の例 計画へ反映すること
動かせない予定 出勤、通勤、家族の対応 その直前まで眠る予定を詰め込まない
眠れる機会 帰宅後、家族が対応を交代できる時間 準備と寝つきも含めて枠を取る
調整できる用事 買い物、洗濯、連絡確認 睡眠の枠を守るため、後へ移すか分担する

この三つが埋まると、「分割すれば何とかなる」と考えていた予定に、実際はほとんど睡眠の余裕がないことが分かる場合があります。そのときは、回数を増やして帳尻を合わせるより、予定や支援を見直す必要があります。

また、睡眠の枠を確保できても、起きてすぐに細かい判断をする予定があると慌ただしくなります。目覚めてからの身支度や移動の時間も、最初から計画へ入れましょう。

家族に共有するときは「分割睡眠をしたい」だけでなく、「この時間は休みたいので、呼びかけは急ぎのときだけにしてほしい」など、具体的な行動にすると伝わりやすくなります。方法の名称より、睡眠を中断させないために何ができるかを話し合ってみてください。

計画は守れなかった日を採点するためではなく、休める機会を増やすためのものです。勤務や育児の事情が変わったら、同じ時刻表へ無理に戻さず、今の条件に合わせて組み直しましょう。

分割睡眠についてよくある質問

分割睡眠は昔からあったなら、誰にでも合いますか?

歴史上の生活様式の話と、現在の自分に合う睡眠の取り方は別です。照明、勤務、通勤、家族の予定が違うため、昔の例だけで安全性や最適な回数は決められません。今の生活で必要な睡眠が取れ、日中に無理なく過ごせるかを確認しましょう。

昼に長く眠る日があってもよいですか?

夜に十分眠れなかった事情や夜勤がある場合など、昼の睡眠が必要になることはあります。一律に禁止するより、24時間の総睡眠時間と次に眠る予定を一緒に考えます。通常の夜間睡眠がある方で、長い昼寝のあとに寝つきづらくなるなら調整が必要です。

分割睡眠から、夜にまとめる形へ戻すには?

勤務や家庭の事情が許せば、起きる時間と夜に休む機会をそろえ、遅い時間のうたた寝などを見直します。昼の睡眠を急にすべて削って強い眠気を我慢するのではなく、夜に必要な時間を確保できる段取りから整えましょう。

休む場所を変えるのは役立ちますか?

家では用事が目に入り、休んでも気持ちが切り替わらないことがあります。静かな場所で画面や家事から離れる時間を作ると、休息に集中しやすくなります。ReSleepのヘッドスパも、自分のための休息枠を予定に入れる選択肢の一つです。

睡眠の予定には「誰に任せるか」も書いておく

眠れる時間を探すときは、空いている時刻だけでなく、その間の用事をどうするかまで考えてみましょう。電話への対応、家事、家族の見守りなどが途中に入ると、予定の上では休息でも、実際には休みにくいことがあります。

「この時間は連絡を見ない」「この用事は後にする」「ここは交代をお願いする」。そんな取り決めが、一つの睡眠機会を守ります。分割して眠る生活でも、休む時間を遠慮して小さくしすぎず、周囲と共有できる形にしていきましょう。

分けて眠る日にも、自分の休息を予定の中心に

分割睡眠を考えるときは、何回に分けるかだけでなく、実際に眠れる合計時間、時間帯、日中の状態を見ていきます。生活の事情がある日は、休息を取りやすくする工夫を一つずつ重ねましょう。

自宅ではつい用事を始めてしまう方は、ReSleepで頭まわりのケアを受けながら、何もしなくてよい時間を過ごしてみませんか。毎日の睡眠機会を大切にしながら、自分をいたわる休息も、予定の中に確保してみてください。

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